めん羊牧場主 石田 直久さん 美希さん

小さな野望を一つずつカタチに


わずか20頭の羊と2㌶の土地、そして古い羊小屋からスタートした石田めん羊牧場。間もなく15年を迎えようとする今、羊は600頭に、牧場は20㌶を有するまでになりました。20代で羊飼いを目指したのは石田直久さん、そして最強のパートナーである奥様の美希さんです。「羊飼いになりたくて、最初は羊を飼っているところに頼み込んで羊たちの面倒を見させてもらってました(笑)。ただ羊が好き、羊と一緒にいたいという気持ちだけでしたね」と直久さんは当時を振り返ります。「羊は昭和30年代には国内で94万頭以上飼育されていましたが、現在羊肉の国内における自給率はわずか1%にも満たないのです。ジンギスカンが北海道名物と言われていますが、ほぼ輸入肉なんですよね」とちょっと寂しそうに話す石田さん。石田めん羊牧場で飼育している羊は、現在レア・シープ(希少種)に認定されている「サウスダウン種」(イギリス原産)。小柄な体型ゆえに一頭からとれる肉量は少なく、繁殖能力も高くはありません。しかし石田さんがサウスダウン種にこだわっているのは「羊肉の王様と言われるほど風味豊かで柔らかく、そして美味しい肉だから」だと言います。石田めん羊牧場では、羊の生産から販売まで、一環して自分達で行っています。札幌をはじめ、全国のレストランに出荷されています。また、羊たちをしっかり「最後まで見届ける」ことに心を砕き、ムートン、原毛の販売や、羊皮紙やフェルト雑貨など手をかけたオリジナルアイテムを販売しています。2013年には、レストラン「ヒツジ堂」をオープン。「牧場を始めた時から、いつかは美味しい羊肉を食べてもらえる場所をと野望を持っていました(笑)」と石田さん。観光で訪れる人にはもちろんですが、地元の人に良質の羊肉が生産されていることを認知してもらいたいと。地元のおいしい野菜と共に創作されたメニューがテーブルを彩ります。「季節によって食べられる肉も変わります。羊肉の美味しさを多彩なメニューで表現していきたい」と石田さん。野望の一つがカタチになりましたが、第二・第三の野望も美希さんの胸中にあるのだとか。「足寄町は羊の町」と多くの人が感じる日も、遠くない気がします。

 

 

 

 

 

 

 

出産ラッシュには毎日が睡眠不足になるほど。

「でもかわいい子供たちですから」と石田さん。

石田めん羊牧場
〒089-3731 足寄郡足寄町中矢7-1
TEL・FAX 0156-25-6150
URL  http://www.ishida-sheep-farm.com/

 

 

 

 

ヒツジ堂
〒089-3711 足寄郡足寄町南1条1丁目14番地
TEL・FAX 0156-25-6810 営業時間 ランチ/12:00〜14:00
ディナー/18:00〜21:00 (季節により変動あり、問い合わせ下さい)
日曜のみ 12:00〜19:00まで通しで営業 (ランチメニューは14:30まで)
定休日 水曜(月1回程度連休あり)