春、双眼鏡を持って 出かけましょう。

北海道にも遅い春がやってきました。雪と氷の世界から解き放たれたかのように、北海道の自然はいっせいに動きはじめます。その息吹に呼ばれるように、鳥たちのさえずりが聞こえてくるでしょう。新緑の木立に、どんな鳥たちが顔を見せてくれるか楽しみです。春の散策には、双眼鏡を持ってでかけましょう。頭上の鳥の声に耳を傾けてみませんか。

野鳥情報をゲットしてゆったり観察〈定山渓)

定山渓で自然情報を入手したいなら、ここがおすすめ。「心の里定山」。定山渓での時間をより濃密に過ごせるヒントがちりばめられています。代表の一條晋さんは、定山渓の自然を知り尽くすナチュラリスト。野鳥についても手作りの「心の里定山だより」で知らせてくれています。「年間120種ほどの野鳥が確認されています。4月にはウグイス、ホオジロ、キジバト、ハクセキレイ、5月にはルリビタキやコマドリ、センダイムシクイ、モズ、オオルリ、コルリなども姿を見せてくれますね」と一條さん。森の謌からも歩いて10分ほどで行ける「二見橋吊橋」付近の森への散策もおすすめと言います。「春になると雪解け水の滝が出現しますから、滝の音、鳥のさえずりといった自然の優しい音に包まれるのもいいですね」とナチュラリストならではの提案。「心の里定山だより」を片手に野鳥観察を楽しんでみてはいかがでしょう。

心の里定山(NPO法人 森と湯の里定山渓)
TEL 011-598-5888  開館時間/10:00〜18:00  ※施設利用の場合は有料となります(足湯、ラウンジ利用、飲食料込み)。


散策しながら野鳥と出会う〈阿寒湖〉

「湖ではこの時期、オシドリ、アイサなどカモの仲間も見られます。空にはオジロワシ、氷があけるとミサゴなどの貴重な野鳥に出会うことも」と話す阿寒湖鶴雅リゾートの高田茂アウトドア部長。春は留鳥に加えて渡りの鳥がやってくるので、森が賑やかになるのだとか。「ホテルの中庭でもアカゲラ、コゲラ、ヤマゲラを見ることができたりしますし、ボッケへと続く森の散策路ではクマゲラ、カケスなど大きめの鳥の姿も見ることができるかも知れません。耳を澄ませると、意外とたくさんの種類の鳥の声が聞こえるんですよ」と言います。阿寒の森は動物たちのゆりかごと言われるだけに、さまざまな鳥が散策のるひと時を楽しませてくれるようです。「阿寒国立公園では100を超える鳥類が確認され、湖周辺でも多くの鳥がいるようで、貴重な鳥も多く生息しているのです。ぜひ、阿寒の自然で生きる鳥たちにも心をむけてみて下さい」。


木立のさえずりがお出迎え〈支笏湖〉

支笏湖畔の森に溶け込むように在る「支笏湖ビジターセンター」。周辺の木立にも、そろそろ夏鳥がやってくると話すのはビジターセンター自然解説員の吉田香織さん。「早ければ3月下旬から南から夏鳥がやって来ます。北海道で子育てをするのです」と今年も鳥たちとの出会いが楽しみな様子です。「オオルリやキビタキは声も姿も美しいので、人気の鳥ですね(笑)。もともと支笏湖周辺に生息している野鳥に夏鳥が加わるので、さえずりも賑やかです」と話します。ビジターセンターでは、今年も月に2回ほど自然ふれあい行事を開催する予定です。その中にはバードウォッチの時間があることも。「ぜひ双眼鏡を片手に楽しんでいただきたいです」と吉田さん。 ビジターセンター内で支笏湖の自然をちょっと学んで、湖畔をゆっくり散策してみましょう。

 

昨年の「自然ふれあい行事」の様子

支笏湖ビジターセンター
TEL 0123-25-2404 開館時間/9:30〜16:30(3月まで) 9:00〜17:30(4月〜11月)
休  館/3月までは火曜日(祝日の場合は翌日) 4月〜11月は無休(年末年始は休み


アオサギが美しい風景をつくる〈サロマ湖〉

北海道最大の湖、サロマ湖にもあたたかい日差しが注ぐ頃。4月中旬までは、シベリアに帰る白鳥たちが湖で羽根を休める姿が見られます。カモの姿も多く見られるようです。「ゴールデンウイーク前後から、夏鳥が姿を見せるよううになりますよ」と話すサロマ湖鶴雅リゾートの窪田副支配人。また、「アオサギが多く生息しています。美しい夕焼けを背景に湖に佇むアオサギの姿は幻想的です。ぜひご覧いただきたい風景です」と話します。サロマ湖は時間によってさまざまな表情を見せてくれます。スコープを備えているお部屋もありますし、貸出も可能。「鳥も美しいのですが、水芭蕉など花も咲き始めます。空と大地と湖…サロマの自然を楽しみにいらして下さい」。