赤れんがを愛して

札幌市の歴史の象徴、北海道のシンボルとして「赤れんが」の通称で親しまれている北海道庁旧本庁舎。現在は国の重要文化財に指定されています。北都・札幌の中心に今も厳かに佇み、街の営みを静かに見守っている赤れんが庁舎。都会のオアシスとも言われ多くの人が訪れ、北海道の歴史を感じながら過ごせるその場所を探索してみませんか。

 

 

 

 

重用文化財
北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)
札幌市中央区北3条西6丁目
TEL 011-204-5019(北海道総務部総務課)平日8:45〜17:30
TEL 011-204-5000(北海道庁中央司令室)土・日・祝
■ 開館時間/8:45〜18:00  ■ 休館日/年末年始  ■ 入館料/無料


国内でも貴重な洋風建築

「赤れんが」として親しまれている北海道庁旧本庁舎は、札幌の中心部・北3条通の突き当たりに、どっしりと構えています。明治15年に開拓使が廃止され、同19年に北海道庁を設置。北海道の新しい歴史が始まったと言えるでしょう。完成は明治21年です。煉瓦造りの地上二階、地下一階建ての庁舎が姿を現しました。設計を担当したのは、平井晴二郎を中心とした道庁の技師たちです。アメリカ風ネオ・バロック様式のれんが造りで、赤い煉瓦は当時の白石村と月寒村(現在は札幌市)で製造されたものを用い、要所には石材を使いました。建物の外観で白っぽい石材は札幌市内で採掘された石山硬石を使っています。また、内部に使用されている木材も、ほとんどが北海道産のもの。北海道の厳しい寒さにも対応できるようにと、機能性とともに美しさを追求した当時の技師たちの心が伝わってくるようです。明治42年には、火災に襲われるという悲劇もありましたが、44年復旧工事が完成。これだけ美しいままで残っている洋風建築は国内でも珍しく、昭和44年には国の重要文化材に指定されています。

写真1:1階正面のホールには三連のアーチ作りが美しい。

ロゼッタ(円形模様)と呼ばれる装飾も洋風建築の特徴。階段・手すりなど木材も北海道産を使用。

写真2:一番高いところは八角塔と呼ばれ、明治29年に建築法上撤去されましたが、

昭和43年に復元され、再び赤れんがの象徴に。

写真3:使用されたのは約250万個を超える数の煉瓦。フランス積みといわれる工法も国内では珍しいと言われています。

 

北海道を知る、学ぶ、感じる空間

現在、館内は一般に無料公開されています。北海道の歴史に関する文書や記録が残されている「北海道立文書館」、歴史博物館のような「北海道博物館 赤れんがサテライト」、そしてサハリンとの交流の歴史を知ることができる「樺太関係資料館」など、広く深く北海道に触れられる空間があります。また、観光ボランティアスタッフが常駐していますので、解説を聞きながらじっくりと赤れんがの歴史、北海道の歴史と文化を学ぶこともできます。赤れんがから北海道を感じてください。