北海道の短い夏、自然が日ごとに表情を変え、その美しさは観る者の心を見事にとらえます。
短いからこそ輝く、短いからこそ愛しい、そんなスタッフおすすめの秘蔵スポットをご紹介しましょう。
マイナスイオンをたっぷり、心も体もリフレッシュ
1.白湯山の雲海
鶴雅トラベルサービス 企画・手配担当 福士雅彦
夏の早朝、私たち人間より一足早く目ざめている自然は、爽やかな呼吸をしているかのようです。ひんやりと心地好い森を登り白湯山の頂上から眺める風景はまさに絶景です。朝、4時30分頃にホテルをスタート、車で15分ほど雌阿寒岳登山道を上ります。そこからマイナスイオンたっぷりの森林浴を楽しみながら歩くこと10分。眼下に阿寒の山の裾野に広がる雲海を観ることができます。ゆらりゆらりと流れる雲を眺めているだけで、不思議と心も穏やかになります。消えゆく雲の切れ間からはボッケが見えることも。雲
海を眺められたり阿寒の自然を満喫できる「早朝ツアー」は10月まで行っています。7月〜8月は雲海遭遇率も高いですが、10月頃になるとご来光を体験できます。季節ごとにさまざまな美しさを見せてくれる阿寒の山々、阿寒の森をぜひ歩いてみて下さい。普段見られないような景色、感じられないような時間を心と体で味わってみませんか。
写真右:冬はスキー場となる白湯山(標高950m)。地熱地帯と呼ばれる独特の環境が広がり、標高788mの展望台から阿寒の大パノラマを堪能できる。
湖と川で見る北海道の歴史と遺産
2.津別峠の雲海
屈斜路湖鶴雅オーベルジュ SoRaマネージャー 福士俊知(としのり)
オーベルジュSoRaのある弟子屈町と津別町の境にあるのが標高947mの津別峠です。晴れた日には、屈斜路湖を眼下に見下ろし、摩周湖、硫黄山、そして知床の山々まで、素晴らしいパノラマを楽しめる場所です。その津別峠でぜひ見ていただきたいのが「雲海」です。日中が暖かい日は夕方から夜中に屈斜路湖を覆うようにガスがかかります。それが遙か遠くまで幻のジュータンのように雲海となって出現。日の出の頃には、美しい雲の海からゆっくりと朝日が昇るのを見ることができるでしょう。頭上の青空、目の前には朝日、眼下には白い海…。自然が作り出す色彩を体全体で感じてください。雲海が見える時期は、10月頃まで。お客様には、ちょっと朝が早いかもしれませんが、ぜひ雲海と素晴らしい朝焼け、そして朝日に迎えられて一日を始めましょう。きっと素晴らしい旅の思い出となるはずです。
写真右:日の出前に出発し、天気が良ければ雲海と朝焼けの両方を楽しめる。カメラ持参で登りたい。
オホーツクの多彩な農村景観を楽しめるコース
3.感動の径
北天の丘 あばしり鶴雅リゾート フロント 井沢百理子
網走を通る国道39号の網走監獄近くから始まって、広域農道を通り、天都山をぐるりとまわるように続き、呼人、鱒浦まで抜ける道路を「感動の径」と称しています。地元の人間にとっては広域農道であり、網走市内を通らずに知床方面に抜ける裏道的存在なのですが、その雄大な景色は地元に住む私たちのちょっとした自慢でもあります。緩やかな丘陵地帯で、白い花を咲かせるジャガイモ畑や、風に揺れて波打つ黄金色のビール麦の畑、黄色い花が鮮やかなキガラシなど、季節によって彩りを変える畑の景色は、美瑛町をしのぐ美しさとも言われています。素晴らしい田園風景と大空へと広がるパノラマはオホーツクらしい雄大さが魅力です。また、オホーツク海、網走湖、知床連山の眺望も楽しめます。ところどころにビュースポットの案内板もありますので、オホーツクの自然の表情とともに思い出を心に刻んでいただきたいですね。
写真右:緩やかな丘陵地帯、青と緑で作り出される風景にはオホーツクの自然の美しさが凝縮されているよう。
北海道遺産に選定されている自然のお花畑
4.ワッカ原生花園
サロマ湖鶴雅リゾート 営業予約 髙橋一博
オホーツク海とサロマ湖を隔てている長い砂州は、太古の昔から自然が作り出してきた独特の景観と自然環境を今に残しています。幅200〜700m、長さ約20kmの国内最大規模の原生花園は春から秋まで、さまざまな植物、花が目を楽しませてくれます。これからの季節、夏は鮮やかなオレンジの「エゾスカシユリ」や「ハマナス」など、秋にかけては大地が紅葉しているような「サンゴソウ」を見ることができます。原生花園の花の種類は300以上あり、季節によってちがった花を楽しめるでしょう。原生花園内はレンタサイクルでも散策ができますし、今年も馬車の営業が始まっていますので、ゆっくりと馬車に揺られて行ってみてはいかがでしょう。ところで、当ホテルからは、サロマ湖に沈む美しい夕日を眺めることができます。昼間は周囲の自然を満喫、夕暮れからはホテルでゆったり、そんな心の休日をぜひ味わってください。
写真右:オホーツクの風に吹かれながら、季節事に咲き競う花々を眺めながらの散策も楽しいもの。訪れるたびに違う花に出会える。
札幌市の水瓶、四季折々の森を映す水面
5.さっぽろ湖
定山渓 森の謌 ネイチャーマイスター 細倉 勉
「森の謌」からほど近いところにある「さっぽろ湖」。発展する札幌市への水道水の安定供給と豊平川の治水のために建設された多目的ダム「定山渓ダム」(旧名:小樽内ダム)が建設され、それによって生まれた人造湖が「さっぽろ湖」です。紅葉の名所としては先に完成していた豊平峡ダムが有名ですが、実は「さっぽろ湖」はその2倍もある大きな湖なのです。定山渓を含めこの一体も支笏湖洞爺国立公園に指定されていて、四季を通じて周辺の自然に触れられる場所です。ダムのすぐ下には「定山渓ダム下流園地」が整備され、資料館などもあり、ダム堤体内の見学も可能です。また、「さっぽろ湖」には4つの展望台が設置されています。紅葉の時期はその美しさを水面に映し、冬にはワカサギ釣りなどで多くの人が訪れます。定山渓は札幌の奥座敷と言われるほど、自然豊かな場所です。ホテル周辺でもさまざまな花、高山植物が見られます。
写真右:4つある展望台から、違う風景を楽しむのもいい。紅葉のシーズンは見事な色彩が湖を包む。
湖と川で見る北海道の歴史と遺産
6.千歳川
しこつ湖 鶴雅リゾートスパ 水の謌 ゲストリレーションマネージャー 伊藤正弘
支笏湖周辺には、実は隠れた名所がたくさんあります。まず、当ホテルからほど近いところにある王子製紙の第一水力発電所。明治40年から3年に亘り建設されたもので、発電機が入っているレンガ造りの建物など施設の堂々たる姿が印象的です。現在も使われており、経済産業省の近代化遺産として選定されています。周囲は公園として整備され、春は桜、秋は紅葉が見事です。支笏湖畔には、千歳川を渡る「山線鉄橋」があります。北海道に現存する最古の鉄橋は貴重な存在です。明治時代に他の川に架けられていたものを大正12年、王子製紙の専用軽便鉄道に使用するため現在の場所に移されたようです。この鉄橋をぜひ歩いて渡って下さい。清流でしか生育しない水草バイカモが白く可愛らしい花を咲かせ、これからが見頃で、鉄橋から眺めることができます。支笏湖、千歳川の美しさ、恵みを感じてください。
写真右:支笏湖から流れ出す千歳川にかかる赤い「山線鉄橋」。透明度の高い美しい水が静かに流れだし、発電所へと向かう。
そこに在るだけで安心、山の力を感じます
7.羊蹄山
ニセコ昆布温泉 鶴雅別荘 杢の抄 管理 石川 渚
地元出身なので、羊蹄山を見て育ちましたが、365日見ていても飽きることがありません。どこから見ても美しく、そこに在るだけで安心できる不思議な山です。ニセコを訪れたら、羊蹄山の美しさをぜひ写真におさめていただきたいですね。オススメのスポットは、「双子のさくらんぼの木」です。ニセコ町の「ふるさと眺望点」にも指定されており、羊蹄山をバックに仲良く寄り添うサクランボの木が絵になる風景です。(周囲は個人の畑なので絶対に畑には入らないでくださいね)また、ニセコ町内の国道5号線に沿って「ビューポイントパーキング」が設置されていますし、道道60号線沿いにも見晴らしの良いカフェやレストランが点在しています。眺める場所や時間によっていくつもの表情を見せてくれる羊蹄山。ニセコアンヌプリや昆布岳、周囲の畑の彩り、自然も一緒に写し込んで思い出の写真をぜひたくさん撮影していただきたいです。
写真右:ほぼ毎日撮影するという羊蹄山。どっしりと構えた姿に見守られているような安心感が。