四季のうつろいを自然の息吹で知る網走湖。

 冬。オホーツク海沿岸に流氷が接岸すると、静かなオホーツクの海が賑わい始めます。シベリアの生き物たちも共にやって来るからです。特に、網走湖の湖口は北からの使者が姿を見せるスポット。高木の上ではオオワシやオジロワシが羽を休め、水辺ではゴマフアザラシやカモがゆらゆら…。網走湖とオホーツク海は、6キロメートルほどの網走川で結ばれているため、海と湖と森が一体となる貴重な自然エリアとなっています。
そしてオホーツク海から流氷が去り、遅い春を迎えると…。網走湖の湖岸にミズバショウが咲き始めます。特に大空町側に現れるミズバショウ群生地は国内最大級で、その広さは約52ヘクタール。清らかな湿地帯に白いミズバショウの花が広がる風景は一大絵巻のようです。また、その周辺の自然林は日本有数のアオサギ営巣地でもあります。一方、呼人半島も網走湖を代表する自然の宝庫。やはり雪解け後にはミズバショウが群生し、空にはさまざまな野鳥の声が渡っています。

[写真上・中央:女満別川のミズバショウ群落]
日本最大のミズバショウ群生地は「女満別湿性植物群落」として国の天然記念物に指定されています。4月中旬から5月上旬が見頃。

[写真下:天都山から見た網走湖]
天都山から望む網走湖。網走湖は周囲約40kmの海跡湖で、網走国定公園に含まれています。

女満別川のミズバショウ群落
女満別川のミズバショウ群落
天都山から見た網走湖