青い海原をしたがえて咲く、竜宮のごとし 香りをききに。

日本最大の汽水湖と流氷が訪れるオホーツク海。その狭間にある約25㎞の細長い砂州が北海道遺産の「ワッカ原生花園」です。春から秋まで約300種の花が咲き競う美しき砂州の幅は200メートルから700メートル。大正時代までサロマ湖には湖口がなかったため、この細長い砂州は国道として機能していました。両脇に海と湖を望みながらゆく街道には、可憐な花々が咲き乱れていたのです。このころ、この地を訪れた文人の大町桂月は、「竜宮のごとし」と感嘆したといいます。その逸話から、いつしかこの砂州は「竜宮街道」と呼ばれるようになり、「ワッカ原生花園」との2つ名で知られてきました。旅を愛した文人が見た竜宮…。それは日本最大の海岸草原で、森や砂丘、草原、そして湿地が混在し、花々のほか水鳥や動物たちが生命を謳歌する理想郷。海の香に、ハマナスやエゾスカシユリ、ハマエンドウ、ヒオウギアヤメの香が揺れています。

[写真:ワッカ原生花園]
「ワッカ原生花園」は貴重な自然環境を守るため、一般車両の乗り入れは禁止されています。レンタルサイクルや馬車で花々の香りを愉しみましょう。

ワッカとはアイヌ語で「水の湧くところ」という意味。その名の通り、ワッカ原生花園には「ワッカ花の聖水」と呼ばれる湧き水があります。

ワッカ原生花園