定山渓山野草の会 代表
一條 晋さん
宮城県生まれ。野鳥観察歴は30年で、15年前から山野草の観察も続けている。定山渓山野草の会は2006年発足、会員は札幌在住者を中心に約100名。
森の謌で野の花散策
森定山渓は、花と野鳥の宝庫なんですよ。ここにネイチャーセンターがないのが不思議なくらいです」と語るのは「定山渓山野草の会」代表の一條晋さん。中でも「定山渓鶴雅リゾートスパ 森の謌」の周り一帯は、札幌市内随一のエゾエンゴサクの群生地として知られているそうです。「定山渓は川があって水が豊かなので、山野草と水辺に咲く花を、両方見ることができます。花の種類がすごく多いのも特徴ですね」。4月下旬からカタクリの花が顔を見せ、続いて紫色のスミレサイシン、ミヤマエンレイソウなど多種多様な花々が一斉に開花の時を迎えます。観賞シーズンは5~6月がピーク。「5月に青いじゅうたんのように咲いていたエゾエンゴサクが、6月には白い二輪草に変わり、そのあとシラネアオイのピンク色に変わる。同じ場所で3度、別の色の風景が楽しめますよ」。カメラ片手に写真を撮りながらの散策はもちろん、絵手紙用に花スケッチをする人たちの姿も見られる。「通常は登山をしないと見ることができない希少な山野草を、平坦地で見ることができる。花好きにとって、定山渓はまさに理想郷なんです」。春の花散策のあとは、ぜひ森の謌の温泉で、のんびりリフレッシュしてください。
しこつ湖鶴雅リゾートスパ 水の謌
アシスタントマネージャー
秋山 功さん
千歳市生まれで、前身のホテル時代から長きにわたり勤務。「水の謌」スタッフの中で、周囲の地理や自然に最も詳しく、日頃から花と緑を愛する。
水の謌で桜を愛でる
5月のゴールデンウィーク明け、支笏湖にも遅い春がやってきます。「しこつ湖鶴雅リゾートスパ 水の謌」は、隠れた桜の名所。実は敷地内に、約15本の桜の木があります。千歳生まれのアシスタントマネージャー・秋山功さんによれば「戦後まもなくの頃からこの場所には桜の木があったようで、昔はよくここで花見をしました」とのこと。例年5月10日前後にまずエゾヤマザクラが咲き、それから1週間ほど遅れて、濃いピンク色のヤエザクラの花がほころび始めます。同時期に白いコブシの花も咲き誇り、桜色+白+新緑の萌黄色の、感動的な景色が広がるそう。「清涼な空気感も清々しく、1年の中で最も美しいシーズンだと思います。観光遊覧船で支笏湖の湖上に出ると、また違った桜の景色が見られますので、ぜひ両方ご覧になって下さい」。早咲きと遅咲きの品種があることで、例年6月初旬までの約1カ月間お楽しみいただけます。また、夜は桜がライトアップされますので、ぜひお出かけの際は、中庭に出て桜を愛でてみてください。また、5月には芝生の上で野点(のだて)の茶会イベントも計画中です。