はるかな時空を超えて集結した膨大な資料や、北海道開拓の影に埋もれた物語など、ロマンと深い感慨にひたる「博物館」めぐりへ出掛けましょう。オホーツクエリアでぜひ立ち寄ってみたい2つの「博物館」をご紹介します。
北海道立北方民族博物館
約900の展示物が圧巻。
来るたびに発見がある。
「北海道立北方民族博物館」では、グリーンランドから北欧まで北方で暮らす民族の文化や知恵、技術などが紹介されているとともに、北海道のアイヌ文化やこの地域特有のオホーツク文化などの考古学資料も展示されています。5つのゾーンからなる常設展示はどれも目を見張るものばかりですが、閲覧する際に解説員さんから解説を受けると、1つの展示物からさらに壮大なストーリーがつむぎ出されます。「北方は寒いので、昔の北方民族は生活に追われた地味な暮らしを強いられていたように思いますが、実はそうでもなく、寒さをしのぐ暮らしの知恵で快適に暮らしていたり、すてきなおしゃれも楽しんでいたようです。ここに展示されている「衣・食・住」の展示物から、どんな時代も、人々は豊かに暮らそうとしていた様子がうかがえます」。そう話してくれたのは解説員の笹倉いる美さん。
奥深い暮らしの知恵や
生活を楽しむ術にも感激。
復元された「イヌイトの竪穴住居」については、「拾った流木やクジラの骨で家を造っているんですよ。太陽が昇らない冬季は、この家の中で大家族がじっと過ごすのです。当然、ストレスが溜まりますよね? ですからけん玉やお手玉、力比べのようなゲームを楽しんでイライラを解消していたようです。こういう点にも北方の暮らしの奥深さを感じますね」と、解説してくれました。遙か彼方の人々に親しみや共感を覚える「北海道立北方民族博物館」へ、ぜひ足を運んでみませんか?
北海道立北方民族博物館
「北海道立北方民族博物館」学芸員
笹倉 いる美さん
「当館には数名の解説員が常駐しています。常設展示の解説は無料(30分)なのでお気軽にお申し込みください。当日でも良いですが、事前予約が安心です」
博物館 網走監獄
2月にリニューアルオープンした監獄歴史館で体感シアターを。
「博物館 網走監獄」は「網走刑務所旧建築物群」を保存公開する野外博物館です。東京ドーム3.5個分という広大な敷地には20棟以上建築物群が点在しており、とても見応えのある博物館です。また「博物館 網走監獄」は季節の花が美しい事でも知られており、ゴールデンウィーク後は桜が見事。入り口となる「鏡橋」の下にはスイレンの花が鮮やかな姿を見せています。
博物館 網走監獄