北方民族博物館&網走監獄 うららか海明けオホーツクの歴史街道をゆく春。

 はるかな時空を超えて集結した膨大な資料や、北海道開拓の影に埋もれた物語など、ロマンと深い感慨にひたる「博物館」めぐりへ出掛けましょう。オホーツクエリアでぜひ立ち寄ってみたい2つの「博物館」をご紹介します。

北海道立北方民族博物館

約900の展示物が圧巻。
来るたびに発見がある。

「北海道立北方民族博物館」では、グリーンランドから北欧まで北方で暮らす民族の文化や知恵、技術などが紹介されているとともに、北海道のアイヌ文化やこの地域特有のオホーツク文化などの考古学資料も展示されています。5つのゾーンからなる常設展示はどれも目を見張るものばかりですが、閲覧する際に解説員さんから解説を受けると、1つの展示物からさらに壮大なストーリーがつむぎ出されます。「北方は寒いので、昔の北方民族は生活に追われた地味な暮らしを強いられていたように思いますが、実はそうでもなく、寒さをしのぐ暮らしの知恵で快適に暮らしていたり、すてきなおしゃれも楽しんでいたようです。ここに展示されている「衣・食・住」の展示物から、どんな時代も、人々は豊かに暮らそうとしていた様子がうかがえます」。そう話してくれたのは解説員の笹倉いる美さん。

北方の衣類コーナー 北のファンタジー

【写真左】「北方の衣類コーナー」に展示されている「グリーンランドの未婚女性のおしゃれ着(1940年ころ)」。素晴らしい手仕事は笹倉さんも大絶賛。ブーツに施された鮮やかな柄は、染めた皮を4ミリ角程度に切り1枚1枚縫い付けたもの。どんなお嬢さんがどんな時に身につけたのでしょう?
【写真右】常設展示へのエントランス「北のファンタジー」。音と光で北方のイメージが演出されています。

奥深い暮らしの知恵や
生活を楽しむ術にも感激。

 復元された「イヌイトの竪穴住居」については、「拾った流木やクジラの骨で家を造っているんですよ。太陽が昇らない冬季は、この家の中で大家族がじっと過ごすのです。当然、ストレスが溜まりますよね? ですからけん玉やお手玉、力比べのようなゲームを楽しんでイライラを解消していたようです。こういう点にも北方の暮らしの奥深さを感じますね」と、解説してくれました。遙か彼方の人々に親しみや共感を覚える「北海道立北方民族博物館」へ、ぜひ足を運んでみませんか?

復元ケナガマンモス模型「チレフチャフ・マンモス」

現在ロビーには、復元ケナガマンモス模型「チレフチャフ・マンモス」が展示されています。

周辺地図

北海道立北方民族博物館

網走市字潮見309-1(天都山・道立オホーツク公園内)
■TEL:0152-45-3888
■開館時間:
10~6月/9時30分~16時30分
7~9月/9時~17時
■休館日:月曜
(祝日の場合は開館し翌平日休館。
7月~9月は無休)年末年始、施設整備日(年数回)
■観覧料金(常設展)一般450円、高校生・大学生
150円(小・中学生と65歳以上は無料)
※「北天の丘」フロントに割引券有り。

笹倉 いる美さん

「北海道立北方民族博物館」学芸員

笹倉 いる美さん

「当館には数名の解説員が常駐しています。常設展示の解説は無料(30分)なのでお気軽にお申し込みください。当日でも良いですが、事前予約が安心です」

博物館 網走監獄

2月にリニューアルオープンした監獄歴史館で体感シアターを。

「博物館 網走監獄」は「網走刑務所旧建築物群」を保存公開する野外博物館です。東京ドーム3.5個分という広大な敷地には20棟以上建築物群が点在しており、とても見応えのある博物館です。また「博物館 網走監獄」は季節の花が美しい事でも知られており、ゴールデンウィーク後は桜が見事。入り口となる「鏡橋」の下にはスイレンの花が鮮やかな姿を見せています。

体感シアター

2月1日にリニューアルオープンした「監獄歴史館」にある「体感シアター」では、網走と旭川を結ぶ中央道路を切り開くために働いた囚人たちの物語「赫い囚徒の森」が上映されています。 過酷な日々を支える囚人らと監守の絆に感動!

五翼放射状平屋舎房

明治45年建築としては画期的であった「五翼放射状平屋舎房」を移築復原しています。 昭和に入りドラマにもなった有名な「脱獄王」が脱獄した独居房もあります。

博物館 網走監獄

博物館 網走監獄

博物館 網走監獄
網走市呼人1-1
■TEL:0152-45-2411
【開館時間】11~3月/9時~17時 4~10月/8時~18時
※入館は閉館時間の1時間前まで
【休館日】なし
【入館料金】大人1,050円、高校生・大学生730円、小・中学生520円
※「北天の丘」フロントに割引券有り

博物館 網走監獄 公式サイト »