夏の青空を映して、阿寒湖の湖面は鮮やかなアクアブルー。
周囲の森も緑を豊かにたたえ、岸辺の水面には、アシなどの水生植物も生い茂っています。
こうして１年でもっとも緑鮮やかで爽やかな季節ですから、阿寒湖を遊覧船で楽しんでみましょう。
昼はもちろん、早朝や夜など、さまざまな湖上の感動が待っています。
阿寒観光汽船（株）営業課長
佐々木 和幸さん
「阿寒湖の水上遊覧は定期便以外も多彩でどれも好評です。また、入り江に航路があるのも阿寒湖の特徴です。ぜひ阿寒湖の魅力を存分に体験してください」
阿寒湖の絶景「滝口」など
入り江の航路が醍醐味。
夏季は阿寒湖の遊覧船が毎日朝8時から17時まで１時間おきに就し、湖上を優雅に行く白い船の姿は風物詩となっています。この遊覧船の定期便航路は約18キロメートル。１周約85分の船旅です。桟橋を出航した遊覧船は、まず「マリモ観察センター」がある「チュウルイ島」を目指します。チュウルイ島に上陸し、阿寒湖の湖底を再現した大水槽で大小の天然マリモを観察した後は、雄阿寒岳のふもと、雄阿寒大崎に接近し、絶景スポット「滝口」のある入り江へと入って行きます。６月半ばから後半時期は湖岸にエゾシャクナゲの可憐な花が見られます。また運が良ければ、エゾシカやキタキツネの姿を発見する事も…。
高速船や500円からの
水上タクシーも人気。
遊覧船でゆったり行くのも良いですが、時間のない方には遊覧船と同じ航路コースを約50分で巡る「高速船」がおすすめです（１日５便・要予約）もっと短時間の水上散歩やプライベートクルーズを楽しみたい方には「モーターボート」がぴったり。思い立った時に利用でき、コースは５分１名500円～45分１名4500円まで６コース。人気散策地「ボッケ」を散歩する際も、片道は電話１本で送迎可能な「水上タクシー（１名500円・TEL：0154-67-2511）」を使って５分で行き来、という手もあります。小さな空き時間でも阿寒湖水上散歩は可能なのです。
「語り部」に聴き入る「早朝遊覧」で１日をスタート。
一方、ドラマチックな感動シーンに会えると密かに人気を呼んでいるのが、定期便以外のスペシャル便です。朝食前に乗船する「阿寒湖早朝遊覧」は、10月31日までの毎朝6時に出航する便で、所要時間は約60分。チュウルイ島でのマリモ観覧時間もあります。そしてこの早朝遊覧だけの特徴は、船上でアイヌ民族の「語り部」が催されること。アイヌの人びとに語り継がれた自然や伝統の話に耳を傾けたり、ある日はアイヌ民族の女性が奏でるトンコリ（アイヌ民族の弦楽器）の音色に聴き入ったり…。夏特有の朝もやの幻想風景に出会える日もあります。
夜景や星空が美しいナイトクルーズも。
もうひとつの人気スペシャル便が、「阿寒湖ナイトクルーズ」でしょう。これは、９月までの金曜・土曜・日曜の20時に、鶴雅から少し東へ行った「幸運の森桟橋」から出航する便。就航時間は約60分で、チュウルイ島でマリモを観覧する時間もあります。ナイトクルーズの魅力は数々ありますが、そのうちの一つが、チュウルイ島や湖上から望む温泉街の夜景です。また、天気の良い夜は満点の星が漆黒の天に広がり、その美しさに誰もが驚きの声を上げます。
粋に楽しむ、湖上の宴には、
屋形型旅客船「くろゆり」
風流なお座敷船で家族やグループ、団体などで宴会も楽しめます（35名くらいまで）飲み物や料理の持ち込みＯＫ。利用料金は２時間40,000円。料理の手配は別料金。
［問い合わせ先］
阿寒観光汽船（株）阿寒湖温泉1丁目5
TEL：0154-67-2511
【各乗船時間と運賃（個人）】
■遊覧船 定期便
料金：大人1,750円、小人920円
運行時刻：夏季は、８時～17時まで１時間ごとに運行
運行期間：11月20日まで
■遊覧船 早朝便
料金：大人1,520円、小人810円
運行時刻：６時運行期間／10月31日まで
■遊覧船 ナイトクルーズ
料金：大人1,520円、小人810円
運行時刻：20時
運行期間：９月末までの金・土・日曜
●高速船ゼフィール（要予約）
料金：大人2,200円、小人1,140円
運行時刻：９時30分、11時30分、13時30分、15時30分
運行期間：７月～10月20日
●モーターボート
１名５分500円～１名45分4,500円
船体デザインも阿寒湖らしくアイヌ文様が秀麗な「摩周丸」
「摩周丸」は昨年からアイヌ文様の装いを施して就航しています。ホル上層階からしか見ることができませんが、船首には旅の安全を守るフクロウの顔が描かれており、これは阿寒アイヌ工芸協同組合の専務理事、秋辺日出男さんによるデザインです。船内１階のアイヌ民族工芸品展示コーナーにもぜひ注目を！
船体に北国で暮らす動物たちが描かれて、ちびっ子たちに大人気なのが「すずらん丸」。ヒグマやエゾシカ、キタキツネなどが、かわいらしいキャラクターとなって船体をにぎやかに飾っているので、下船後のファミリーが記念撮影をする人気スポットとなっています。