語り部たちの素顔 その14・カヌーイスト 秦孝久さん

北天の丘 あばしり湖鶴雅リゾート
オホーツク語り部の集い
秦 孝久(はた たかひさ)さん

 沖縄で約10年間シーカヤックなどを行い、その後北海道へ戻りカヌーガイドとして旅行者たちを案内する秦さん。愛称は「ハタG」です。今夜も、日常のガイドフィールドである網走湖の自然について話してくれました。

「網走湖とその周辺は年中見ていても、見飽きないところです。春はミズバショウ、夏は鳥。6月ころになると午前10時くらいまでだとカワセミもよく見られます。とってもきれいですよ。秋は紅葉、冬になるとゴマフアザラシやオジロワシを見ることができます。ところで、網走湖で育ったシジミのおみそ汁は飲まれましたか?大きいでしょう?網走湖は栄養豊かな湖なので、シジミも大きく育つのです」。このように網走湖に息づく動植物の話をしつつ、「じゃぁ、ちょっと面白い話をしましょうか…」と意味ありげに話し始める秦さん。「昔からのシーカヤック仲間と、知床でキャンプを張った時のことです。舟でしか行けない、それはそれは美しい場所です。良い川もありましてね。そうしたら、崖のふちから熊がやって来て、テントの5メートル脇を通って行きました。もう、生きた心地がしませんでした」。湖や海の美しさや動物たちのたくましい様子。それらを聞きながら旅人たちは、まだ見ぬ自然の懐に興味と感動を抱いていました。

秦 孝久さん

カヌーイスト 秦 孝久(はた たかひさ)さん

「10月1日から11月11日まで、呼人浦キャンプ場で『カムバックサーモンin網走湖』が行われます。テント村が並び、夜は川をライトアップしていますから鮭の遡上を見られますよ。ぜひ見に来てください」と、秦さん。