絵の具をそっとおいたような彩り
北海道の野山は半年近く雪に閉ざされてしまうからでしょうか。春、木々が芽吹く時のエネルギーはとてもまっすぐで強いものがあるように思います。そのエネルギーを見せてくれるが「春紅葉(はるもみじ)」です。紅葉というと秋を思うかもしれませんが、支笏湖周辺の野山の木々が芽吹く頃に、実にさまざまな彩りを楽しむことができます。秋の紅葉のような色彩の強さはありませんが、ふんわりと淡い絵の具をぽんぽんと置いたような色合いはとても美しいものです。例えば4月下旬からヤナギやイタヤカエデ、ダケカンバの若芽は黄緑色に、そしてナナカマドは赤、カツラの若芽は茶色っぽい色を出し、春のイメージ通り葉緑素の明るい緑色を基調にしながら色とりどりに山を美しく演出します。5月上旬のゴールデンウイーク頃から咲きはじめるエゾヤマザクラの花の淡いピンク色が山に添えられたら、いっそう華やぎます。そんな春紅葉は5月中旬まで。若葉がどんどん芽吹き生命力に溢れる時期です。そんな景色を観ていると「頑張って」とパワーをもらえる気がしますよ。
吉田香織さん
千歳市支笏湖温泉 支笏湖ビジターセンター
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