ライトアップされた
阿寒の森を従え、夜空に炎が舞い、
人々は歌い踊る。
秋の阿寒湖の風物詩ともいえる恒例の野外公演、「イオマンテの火まつり」が、2010年も2カ月間に渡って開催されます。2010年は、会場であるアイヌコタン特設ステージによりドラマチックな演出が施されたり、楽器演奏にも厚みを増すなど、さらにバージョンアップしています。神々を迎え、観客を魅せる迫力のステージが夜ごと幕開けます。
アイヌ古式舞踊が
ユネスコ「世界無形文化遺産」に登録。
喜びあふれる舞台に。
アイヌが崇めるアペカムイ(火の神)。その象徴である生火が舞い上がり、アイヌ民族に伝わる伝統の歌と楽器演奏、そして舞踊が繰り広げられます。一度見てみたい。一度見たらまた見たくなる。そんな人気イベントの演出・プロデューサーを務める秋辺日出男さんに、2010年の新しい魅力を聞いてみました。
「2010年の野外ステージは、ライトアップしたマツやカエデ、ハンノキなどの自然林をバックに作っているのでとても幻想的です。阿寒の森の神聖さに誰もが感動するでしょう。また出演者たちの歌や踊り、楽器演奏もさらにレベルアップしています。これは厳しいレッスンの積み重ねによる向上もさることながら、2009年にアイヌ古式舞踊がユネスコ「世界無形文化遺産」に登録された事も背景にあります。
自分たちの文化が世界に認められた事で、出演者たちは阿寒湖コタンのアイヌとして誇りを新たにし、より熱い演舞を繰り広げることができるのです。またアイヌ民族の弦楽器『トンコリ』演奏者が1名から2名に増え、サウンドにも奥深さが生まれています。さらに磨きがかかった演舞・演奏と、効果的な演出の数々にご期待ください。私たちは、世界が注目し始めた『アイヌ』のプロフェッショナル・エンターテインメントをご覧に入れます」。
このように、2010年の見どころを語ってくれた秋辺さん。その口調からも気迫が伝わってきます。
阿寒の大自然に感謝を捧げ、人々の平和を願う伝統の祭り。ムックリの響きは風のように夜空をふるわせ、トンコリの音色は夜のしじまに透き通ってゆく…。美しく、荘厳なアイヌ舞踊のショーを、ぜひお楽しみに!
秋辺 日出男さん
「イオマンテの火まつり」の演出・プロデューサーを努める秋辺さんは、阿寒アイヌ工芸協同組合の専務理事でもあります。「2年後には、阿寒湖温泉街待望の『常設シアター』が建設される予定。そのためにもプロらしいショー演出を磨きあげてゆきます」
イオマンテの火まつり 2010
■開催期間:2010年10月1日(金)~2010年11月30日(火)
※10月9日は「第61回まりも祭り」のため休演
■時間:21時~21時30分
■場所:阿寒湖温泉街アイヌコタン屋外特設会場
※雨天時はオンネチセにてアイヌ古式舞踊公演となります。
■入場料:大人1,000円(前売り900円)
小人500円(前売り450円)
■問い合わせ先:NPO法人 阿寒観光協会まちづくり推進機構
TEL:0154-67-3200