サロマ湖・キムアネップ岬に広がる紅いじゅうたん「サンゴソウ」の紅葉

秋色/サロマ・エリア
「サンゴソウ」の紅葉は
9月後半が最盛期。

「キムアネップ岬」とは、サロマ湖の東南に細長く延びている岬で、秋に茎が紅く紅葉する珍しい植物、サンゴソウの群生地として知られる人気スポットです。「キムアネップ岬」のサンゴソウは8月後半ころから赤みを帯び始め、9月20日過ぎから10月上旬に掛けての約2週間が紅葉の見ごろ。約10ヘクタールの群生地が鮮やかな深紅で染まります。
 サンゴソウは主に塩分を含んだ湿地に生息する植物で、その環境を持つサロマ湖のキムアネップ岬は、希少な群生地として保たれています。湿地の面積が小さくなってしまうと、サンゴソウの群生地も小さくなってしまうサンゴソウ群落は、まさに自然環境の変化を映す鏡。その希少性から、北海道指定の天然記念物になっています。また、サンゴソウは未だ謎の多い植物ですが、研究機関の調査によって、「明るい場所を好み、根が浅く他の植物に押されると弱ってしまう」という性質が分かってきています。
 この貴重な自然と美しい景観を守るために、佐呂間町では平成12年から保護のための手入れを行ってきました。それは、紅葉が終わった後のサンゴソウを起こす地道な作業。特に、昨年と一昨年は湿地帯で大々的な手入れを行ったので、今年はより見事なサンゴソウを見られるかもしれないと、期待が掛かる年のようです。「キムアネップ岬」ならではの紅色鮮やかな「サンゴソウの群生」に、ぜひ感動してみてください。

サンゴソウは通称名!?本名は「アッケシソウ」
「サンゴソウ」という呼び方は実は通称名で、「アッケシソウ」が正式名称です。アカザ科アッケシソウ属の一年草で、厚岸町の厚岸湖で発見されたので、この名が付きました。しかし、本家だった厚岸湖のアッケシソウ群落は消滅してしまい、もう見ることはできません。所変わって…。網走市能取湖のサンゴソウも見ごろです。

サロマ湖からちょっと南下したエリア、網走市能取湖「卯原内(うばらない)サンゴソウ群生地」も、アッケシソウのビューポイントです。こちらは日本最大級の広さで有名。両方へ足を伸ばし、2倍楽しむのも一興です。能取湖卯原内のサンゴソウは9月上旬から10月上旬が見ごろ。9月第3日曜は「サンゴ草まつり」が開催予定。

【問い合わせ】
卯原内観光協会
■TEL:0152-47-2301
佐呂間町経済課商工観光係
■TEL:01587-2-1200

中村 直樹さん

佐呂間町経済課商工観光係長

中村 直樹さん

「例年9月20日ころが最盛期です。ここ2年の手入れによってサンゴソウの伸び具合も順調。今年はいっそう美しくなる期待の年ですので、ぜひ見に来てください」