アイヌ民族の大いなる世界を、ここから…。
アイヌ民族の伝承文化を発信する拠点として、阿寒湖アイヌシアター〈イコロ〉が今年4月29日に本格オープンしました。舞台と観客席が近く、炎や水など、アイヌ伝統儀式に欠かせない設備も完備。観客が間近でアイヌ民族の世界を体感できる新たな舞台として、オープン以来、たくさんの人々にほほ笑みと感動を贈り続けています。
目玉演目は人形劇「ふんだりけったりクマ神さま」
ウエペケレ(民話)を脚本化した人形劇「ふんだりけったりクマ神さま」は、このような語りから始まります。ストーリーは…。山を治める偉いクマ神さまが、冬を越すための鮭を取りに行った帰りのお話し。美女に誘われ、つい遊びほうけてしまい、鮭をキツネやカラスにとられてしまうクマ神さま。“しまった。このままでは奥さんに叱られる”と、神さまなのに悔しがったり悲しんだり。とにかく笑いがあふれる物語です。
人形劇「ふんだりけったりクマ神さま」のほか
ユネスコ世界無形文化遺産登録「アイヌ古式舞踊」も
〈イコロ〉では常設演目として、国の重要無形民俗文化財指定・ユネスコ世界無形文化遺産登録の「アイヌ古式舞踊」と、阿寒湖アイヌが演じる人形劇「ふんだりけったりクマ神さま」が上演されています。従来行われてきた「ユーカラ劇」や毎年恒例のライブイベント「イオマンテの火まつり」の演舞もここで行われます。