人口4800人の北見市常呂町はカーリングの町。これまで9人ものオリンピック日本代表を輩出してきました。そして今季、2010年2月12日から始まるバンクーバー五輪への出場をかけて、カーリング女子日本代表決定戦(2009年11月5~8日)に高校3年生の「常呂高校」が出場し注目を集めました。結果、夢切符には一歩及ばず、常呂高校の先輩もいる大本命チームが五輪の出場権を得ましたが、「オリンピック」という夢はますます現実味を増して、未来へと向かっています。
今季大きな戦いを経てメンタル面も成長。
今日も常呂高校のメンバーは、授業が終わった後、常呂町カーリングホールに集まり、夜9時頃まで練習を続けます。中学3年の時にチームを結成し、今季で4シーズン目となるこの同級生チームは、2008年に全国高校選手権で初優勝を果たし、ジュニア選手権でも準優勝。そして2009年2月の日本選手権で準優勝をし、そして今回の五輪日本代表決定戦にも出場。瞬く間に全国から注目を浴びる存在となりました。コーチの小林博文さん(漁業)は、メンバーたちについて、「くじけたり滅入ったりしない性格が良いところ」と言います。もともと元気さと粘り強さで定評のある「常呂高校」ですが、今季の大きな試合を通し、「点差が開いても落ち着いて追いついて行ける、精神面の強さ」を得たと主将の吉村さんが語ってくれました。
春からは大学生。
夢も目標もしっかりと。
チームの皆は4月から札幌市の同じ大学へ進学することが決まっています。もちろん同じチームでカーリングは続けますが、学業も将来の仕事もちゃんと両立したいというのが皆の願い。それぞれ目指す職業も見極めています。練習中は真剣なまなざしを見せながら時折笑い声も響き、休憩時間はクラスの話に花が咲く様子は、普通の女子高生なのです。オリンピックとはテレビで見る別世界だったのが、突然自分たちの行く手に目標として現れ、町民らの期待を背負った平均年齢17歳たち…。これからも彼女たちから目が離せません。