あかん遊久の里 鶴雅
語り部の集い
千家 盛雄(せんけ もりお)さん
今夜も千家さんがアイヌの人々に伝わる話しで語りかけます。「ところで、北海道という名はだれが名付けたか知っていますか?それは松浦武四郎です。幕末期、蝦夷地と呼ばれていたこの大地を探検し、土地のアイヌと触れあいながら約9千箇所もの地名を調べ上げた人です。アイヌのことを考えてくれた人だから、武四郎はアイヌに慕われていました」。冒頭からこんな話が始まり、参加した人々を引き込みます。
「アイヌの世界の最大の使命とは、『自分の命を生き抜くこと』です。自分に与えられた命は自分だけのものではない。先祖が代々生き抜いて繋いでくれた命。しかも、動物や植物など自然界のあらゆる命を得てきた命です。だからどんなことがあっても意地を持って生き抜かなくてはならないのです」。こうした千家さんの言葉が、聞く人たちの心に深く刻まれてゆく…。集った人たちはだれもが感激の表情と、「いい話が聞けた」の言葉を残してゆきます。
アイヌ民族の礼装衣裳で望む千家さん。語りの最後は、アイヌ民族楽器「ムックリ」を演奏します。