阿寒湖畔が、眠りから目覚めました。

新緑に萌える春はまだもう少し先…。今はまだ春の手前。阿寒湖温泉は春の準備をしている最中です。
日ごと時間ごとに違う様子を見せてくれる浅い春の気配を、全身で感じてみましょう。
阿寒の森を知り尽くすアウトドア・コーディネーター、高田茂さんが、春の手前の阿寒湖温泉とその楽しみ方を教えてくれました。

「ボッケ 森のこみち」を散策して、春の花々めぐり。

 ちょっとしたお散歩気分でも、自然の息吹や季節の香りに触れられるのが、阿寒湖温泉街の素晴らしいところです。ぜひ「ボッケ 森のこみち」を歩いてみてください。4月中旬から5月下旬は、「阿寒湖畔エコミュージアムセンター」の裏手あたりにミズバショウが咲いています。これはぜひ見ていただきたい風景です。
 この季節は「ボッケ 森のこみち」のいたるところにエゾエンゴサクの花が咲きます。点々と広がる紫色の小さな花は可憐ですよ。そして、ヒトリシズカ、フタリシズカもそっと咲いています。森のにおい、たおやかな土のにおいに満ち、早春の阿寒の森は魅力的です。五感を澄ませて、感じてみましょう。

朝7時前までのお楽しみ。残雪に乗って遊んでみて。

 春が遅い阿寒湖温泉ですから、「ボッケ 森のこみち」の両脇などには4月下旬まで雪が残っています。昼間だと雪に乗ると埋まってしまいますが、早朝7時前くらいだとまだ雪が凍っているので埋まりません。ちょっと早起きをして、ザクザクとした春の雪の感触を楽しんでみましょう。これは、なかなか夢中になれる遊びです。

阿寒湖畔展望台から見る春の阿寒湖はいっそう青く。

 阿寒湖畔展望台(スキー場)へ続く道も、春は花々で彩られます。ミズバショウの群生地があり、5月下旬から6月下旬ころまではエゾオオサクラソウの淡いピンク、クリンソウの濃いピンク色も加わりとてもにぎやか。早朝ならクマゲラやアカゲラ、シジュウカラのさえずりも聞こえます。運が良ければエゾライチョウに会えるかも。また、白湯山展望台から望む春の阿寒湖も絶景。春の阿寒湖はひときわ青く、新緑の中で冴え渡っています。朝8時前ですと湖面に波が少ないので雄阿寒岳が湖に映ってとてもきれいですよ。ただし、阿寒湖畔展望台のゲートが開くのは朝8時ころなので、早朝の阿寒湖を望みたい方はゲート前に車を置いて、約2キロほど(片道)の散策を…。

高田茂さん
あかん遊久の里 鶴雅 アウトドア事業部 アウトドア・コーディネーター

高田茂さん

阿寒生まれの阿寒育ち。カナダ暮らしの経験もあるけれど、やっぱり阿寒が好き。「あかん遊久の里 鶴雅」を入って左手の「アウトドア・カウンター(8時30分〜10時・15時〜18時)で、フライフィッシングの毛針を作りながら待っています。

高田さんからの
ワンポイントアドバイス

阿寒湖畔の春は寒いので、しっかりと厚着をして!この時期の散策路にはぬかるみ部分が。長靴がベターです。

白湯山展望台から望む春の「阿寒湖」はとても青い。

エゾオオサクラソウ

フタリシズカ

ヒトリシズカ

クリンソウ

エゾサンゴサク

ザゼンソウ