世界の北方民族文化を集めた、日本唯一の博物館。

世界の北方民族文化を集めた、日本唯一の博物館。

北海道立
北方民族博物館

網走市字潮見309-1
TEL:0152-45-3888
開設時間:夏季は9時~17時
休館日:月曜(7~9月は無休)
観覧料(一般展示):
大人450円、高校生・大学生150円
小学生・中学生・65才以上無料

グリーンランドから北欧、アイヌ文化・オホーツク文化も

 南アフリカで人類が誕生し、そこから南へと移動した人々と、北へ進出する人々が…。
人類にとって北方地域の克服は容易なことではなく、それはとても厳しく画期的なことでした。北方民族とは主に、アイヌ、アリューシャン列島のアリュート、アラスカやグリーンランドのイヌイト、スカンジナビアのサミ、北西海岸インディアンやサハリン、シベリア地域に住む諸民族。ここには、グリーンランド、北欧、そして北海道など、北方諸地域の厳しい自然環境に適応し、独自の文化を作りあげてきた人々の貴重な軌跡が展示されています。

展示資料やモニタ映像で異文化の世界へトリップ

 衣食住文化、精神文化、生業文化と3つのゾーンがあり、それぞれ現地から採集した展示物やテレビモニターの映像を見てめぐっていると時間を忘れてしまうほど。時間と空間を越えて、北方の旅をしているような気分になります。また、小学生用、中学生用、高校生・一般用の各ワークシートを手に、質問に答えながら閲覧してゆくとますます没頭。解説を希望すると職員が随行してくれるのもうれしい限りです。

①エントランスホールは三角のガラスの塔の下にあり、陽光がさんさんと降り注ぎます。この塔は、北方民族の移動式住居・テントをイメージしています。

②展示ゾーンへのエントランス。「北のファンタジー」と名付けられた通路は音と光で演出され、ここから異文化への旅が始まります。

「精神文化」ゾーンにある、北アメリカの「トーテム・ポール」。室内用の家柱で、クマやオオカミ等に似た架空の動物を表しています。

展示ゾーン入り口に掛けられた「アラスカのシャマンの仮面」。1番上の顔は人間の世界を、真ん中のフクロウは動物の世界を表し、下の大きな顔は精霊を表しています。

「衣食住文化」ゾーンの「衣」。スカンジナビアで暮らすサミの男性用晴れ着と、ロシア極東部で暮らすナーナイの花嫁衣装。

イヌイトの竪穴住居を再現したもの。流木やクジラの骨で組まれ、泥炭や芝土を積み上げて断熱効果を得ています。魚類や海獣の脂を暖房とし、室内は22~23度に保たれていました。

北海道立北方民族博物館学芸主幹
渡部 裕さん

「ここには『モヨロ貝塚』から出土したオホーツク文化の土器も展示されています。ご要望があれば説明案内もしますので、ぜひお立ち寄りください」